多分、私の幼少時代は日本が高度成長期だったのだと思う。
両親は、自宅でもある商店街の時計屋さんで忙しく共働き。
ちゃんと歯磨きを教えてもらわなかったのかもしれない。
小学校に上がる歯科検診で、虫歯が11本見つかった。
小学校時代は、虫歯との戦い。
夜中だったか、あまりに歯が痛くて
いつもの歯医者さんに連れて行かれたこともあった。
当時、選択肢がそこしかなかったいつもの歯医者さんは、
気が短かった。
ヤブ。と言ったら失礼だし、悪いのは私の歯だったから。
義眼の人だった。ハンデを乗り越えてのお仕事。
でも、気が短かった。
痛みに泣いてる私の口の中をガリガリグイグイやりながら
舌打ちをし、「こなくそ!」と叫ぶ。
恐怖以外の何物でもない。
中学に入って、
校庭で転けて、石段に歯を打ちつけ、前歯が2本折れた。
神経は死んでしまって、高校生になった時には黒く変色してきた。
気の短い歯医者さんで4連結の差し歯を作ってもらった。
まだまだ気の短い歯医者さん。
ガリガリグイグイ、舌打ち、クソ!!を長期間の我慢。
何とかカッコがつきしばらくして、もうすぐ結婚するという時分にポロと取れた。
もういや。
近くにできた若い歯医者さんに行って、4連結を作り直す。
最終段階で歯茎を削らねばならず、涙目で耐えた。
その時。
歯医者さんが「痛いね、ごめんね。もうちょっとやからね。」と言ってくれた。
逆に涙が溢れた。
これやん。どんだけ救われる。
さて今お世話になっている歯医者さんは、普段は
クリーニングに行っているし、やはり時々検査させられて治療もする。
体の大きい、ちょっと怖い先生。
スタッフにもテキパキ指示するので診察室には緊張感がある。
子供時代の教訓で、隅々までの歯磨きは欠かさないけど、
やはり、昔の虫歯の管理と、年相応なガタもきてる。
この歳で、歯の治療は必須だ。
で、久しぶりに2本の治療をすることになった。
でも本当に久しぶりだったので、
治療台に座った途端、トラウマで息が荒くなった。
先生が「何や、走って来たんか?」と聞いたので
診察室の緊張感など、もうどうでもいい私は
「いえ、歯医者さんが怖いんです!緊張するんです!」と訴えた。
先生は多分絶句してたんかね。マスクで分からなかったけど。
先週と今週、2回で終わったけど、
先生は、いつもより優しかったと思う。
ありがとう歯医者さん。
今後ともよろしくお願いします。
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by taichitokaori
| 2020-10-12 10:49
| 生活
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