愛の表現

うちの車庫側にお隣さんちのモチの木が、大きな枝を広げていた。
その木は、たぶん家が建った時からあるだろうから30才くらいかな。
毎年この季節に山ほど真っ赤な実をつけて、いっぱい葉っぱを散らす。
地面に落ちた実は黒く変色して潰れて、
鳥も食べにやってきては糞をまいてくれるから
我が家の駐車場は、私達が引っ越して来る前から黒いシミでいっぱいだった。

一昨年の夏にリフォームした際、駐車場の屋根も新しくしたけど、
季節がめぐってその新しい屋根が
モチの木の実で黒々と汚れてしまったのを見た時は、正直ちょっと悲しかった。
でもお家の人も気にして、いつも「すみません」って言われてた。

今年のモチの木はますます元気で、この季節やっぱり
毎日山ほど実も葉っぱも落とし始めた。
こうなったら、こまめに掃除するしかない。
ほうきで葉っぱなんかを掃くのは何故か好き。それで、
家でヒマにしてるんだからと、しょっちゅう掃いていたら
我が家の駐車場、かなりすっきりな状態を保っていた。

そしたら先日、突然植木屋さんが来てあれよという間に根っこから切ってしまわれた。
・・・ぜんぶ?・・・全部!
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私が、こっち側の枝を少し切って下さいって正直に言えばよかったんだね。
だまって毎日、しょっちゅう、掃除してたらそら、おとなりさんは気になるよね。
そんな気はなかったけど、なかったこともなかったはず。なのです。

ショックで動転して、でもしばらくしたら気がついた。
人の愛情表現にも色々あるけど、
自然の愛情表現はもっと色々あるはずなんだということに。
熟した小さな実と枯れかけた葉っぱをいっぱい落として、小鳥といっしょに
我が家の駐車場をめいっぱい汚してくれたモチの木は、
そうやって私に愛を表現してくれていたんだね。
うかつな事に、ちっとも気がつかなかった。それどころか、もう!って。

でも、ほうきで掃く時は楽しくて、ちっとも苦にならなかった。
モチの木とお友達だったからにちがいない。
今は全然掃除しなくてもよくなったけど、
モチの木があったところは何にもなくて明るくて、でも
なんだかとても寂しくなりました。

ほんとにごめんなさい。
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by taichitokaori | 2008-05-02 17:17 | 香り | Comments(0)

アビ猫との楽しい毎日!


by taichitokaori